選抜大会の裏で

sasisusekiyama2005-03-14

 もうすぐ春の選抜高校野球が開催される。今年の四国からは新田、西条、三本松、高松が甲子園の切符を手に入れた。自分の時は徳島商業鳴門工業明徳義塾が甲子園に出場した。徳島県のレベルはこの年相当高く、選抜に出場する2校以外にも強豪は多かった。強力打線の池田、バランスのいい小松島、好投手のいる東工業、四国大会出場の生光学園、シード経験のある名西、徳島北、阿南工業・・・甲子園の道は遠かった。選抜高校野球で強豪校が激突し盛り上がる一方で、予選で負けたチームは春季大会と言って地方大会がある。この大会は優勝しても甲子園とは無縁のいわゆる夏の前哨戦みたいなものだった。今考えると、甲子園と縁がないのにどうしてこの大会をする必要があるのだろうと疑問に思ってしまう。しかしその当時は必死だった。僕らの高校は僕が入学する直前のこの春季大会でベスト8に入って以来公式戦で勝ったことがないのだ。実力もさることながら、クジ運も悪かった。2年生の時も夏の大会は春の選抜準優勝の鳴門工業と対戦し初戦で負けた。自分達の代になった秋の県大会も池田の強力打線に序盤はいい試合だったが、結局負けてしまった。もう自分達には公式戦初勝利というチャンスが少なかったのだ。どうしても校歌が歌いたかった。自分の高校はそれほどまで弱くはなかったと思う。強豪校とよばれない学校にはほとんど練習試合でも勝っていた。投手は無名校ながらも県内では知る人ぞ知るという好投手だったし、10人という少ない野球部員でチームワークも良かったからだ。だからどうしても勝ちたかった。春季大会の抽選の結果は・・・徳島北だった。新人ブロック大会で、自分達のエースが怪我で投げれなかったが1−12で僕達から圧勝した高校だった。絶対に勝って校歌を歌う!しかし評判通りの左腕鎌田(現在龍谷大)から10奪三振を喫し、善戦したが本塁打のみの得点に終わり、結局1−5で負けてしまった。もしかしたら夏も初戦で負けて、校歌も歌えないまま高校野球人生が終わるのかなあ・・・と試合後のダウンの無言のキャッチボールでふと思った。なにか悲しかった。校歌を歌うことにこだわっているが、全校集会とかでは面倒くさくて歌ったことがないのは言うまでもない(笑)