運命

sasisusekiyama2005-03-24

 あだ名は「サル」。高校時代のキャプテンはたまにこう呼ばれていた。他にも「さるお」「うんこマン」「かねまつ」「マメ」「まさる」「しょんべん親父」「ホクロ」。。。多数のあだ名があった。膝に持病を持っていた彼は練習中であろうとひたすらストレッチをしていた。みんなその仕草をよく真似していた。その愛くるしいキャラクターはまさに「サル」だった。小学生のころから僕は彼のことを知っていた。それは彼に悪口を言われていたからだ。自分はデブだったので(今もデブいが)かなり目が細かった。背も小6のときには165㎝はあったので誰よりも目立っていた。自分はデブだと幼稚園のころから自負していたので、「デブ」と言われても全く傷つかなかった。本当にデブだったから。体重は中1で80キロを軽くオーバーしてたんじゃないかなと思う。高校でも野球部のやつから、「ブッチャー」「ゴリっちゅ」「肉男」「ブタ」「デカチクビ」「まるがお」「たかお」「ブタゴリラ」「アルシンドおやじ」「肉山」など。。。まさにデブ系。しかし彼は「デブ系」じゃなく「細目」と言っていた。デブにもプライドがある。今まで言われたことのないあだ名なんて決して許せなかった。幼稚園のころから太っているデブ歴10年以上の僕に、まさか目のことについて言ってくるなんて・・・。視力も1.5なのにだ。デブのプライドを傷つけられた僕は、中学校に進学してもひたすら彼に復讐を計画していた。それは中学校のときバッテリーを組んでいたやつも同じことを思っていたはずだ。身長186㎝、体重100㎏。ここでは「ゴリ野」と呼ばしてもらう。そいつはサルと学校が一緒だった。復讐を忘れていたころ、ゴリ野が包帯を巻いて練習に来ていた。なんと腕をケガしていたのだ。理由はクラスの奴にトイレで無理やり押されてケガしたというバカな話。さすがゴリ野だ。しかし誰がそんなことを・・・ゴリ野であっても大事なエースである。ここで僕はイヤな予感がした。まさか・・・そう、そのまさかであった。僕に細目と言っていたやつがゴリ野を押したのだ。ゴリ野は当分投手として帰ってこなかった。練習をサボれると言い、本当のゴリラのように笑っていたが。。。僕は寂しかった。「3桁バッテリー」。これは中学のとき他チームに呼ばれていたあだ名だ。野球の実力もなかなかだが、体重はもっと凄い。デブに誇りを感じていた僕は嬉しかった。当分あいつとはバッテリーが組めない・・・。さらに強い復讐を覚え高校に進学した。すると偶然自転車置き場で、どっかで見たことのあるやつを発見した。それは小学生のときに僕に悪口を言っていたやつだった。しかも野球の練習着を着ていた。まさか同じ学校に進学するとは夢にも思わなかった。しかも部活も同じになるとは。暴力もふるし、悪口も言う。これがこいつに対する第1印象だった。しかし、いざ喋ると印象が違っていた。完全ないじられキャラだった。高校時代を一緒に過ごせて本当に良かった。チームメイト全員が最高のやつばかりだった。なあ、ホクロ星人☆